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〜dream in Okinawa〜 part4
惜しみなく降り注ぐ太陽に、乱反射して笑い合う青い海。
ばしゃばしゃと水音を立てながら、ルルゥははしゃぎまわり、モーゼスもその傍らで足を浸して涼んでいる。
「わぁ〜気持ち良い〜!モーゼス、沖縄って綺麗なところだね!!」
「あぁ、こんなに水が透き通ってる。カルマン、来ないのか?」
振り返れば、海辺に近い場所に突き刺したパラソルの下には、まだ暑さにバテたままのカルマンが眉間にしわを寄せ二人を見ていた。
「もっと陽が影ってくれたらな」
そんなカルマンの言い分に二人は思わず噴き出した。
「僕たちはもう太陽に怯えなくていいんだよ?」
「・・・わかってるさ、それくらい」
小さく肩を震わせながら笑うモーゼスに、カルマンはふてくされてみせる。
ほら、行こう?と差し出される手をしばらくじっと見つめて、その先にある海を見やった。
まだ踏ん切りがつかないらしい。
そんな姿に苦笑しながら辛抱強く待ち続けていると、そろりと動く気配。
が
「えいっ!!!」
「うわっ!!」
一際明るい声が聴こえたと思った瞬間、横から大量の水飛沫が襲い掛かってきた。
何が起きたかわからなくて眼を白黒させていると、前方の影がゆらりと揺れる。
「っ・・・ルルゥ・・・お前っ!!」
「気持ち良いでしょ?」
「良い度胸だ・・・覚悟しろ!」
「きゃぁっ!」
カルマンが勢いよく走り出せば、あっという間に逃げるルルゥの小柄な身体を捕まえて、その勢いのまま海へとなだれ込んでいった。
盛大に上がる水飛沫に反射的に眼をきつく瞑り、収まった頃にそろりと瞼を押し開く。
キラキラと揺れる細波に背中を押されながら不敵に笑ってみせるカルマンと、何度か咳き込みながら食って掛かるルルゥの姿が映る。
二人ともしばらくそうやってにらみ合っていたが、お互いにそれがおかしかったのか同時に笑い出してしまった。
モーゼスは思わずつられて微笑み、軽い足取りで二人の許へ歩いてゆく。
「えへへ、濡れちゃったね」
「そうだな・・・だったら」
今度は意気投合したように笑い合い意味ありげにモーゼスを見やり、企んだ笑みを残してカルマンとルルゥが傍まで来ていたモーゼスの腕をしっかりと掴む。
「ん?どうし・・・」
「お前も一緒だ!!」
「えっ?」
予想だにしない力にいとも容易く引き込まれ、同じように高く水飛沫が上がった。
空に響く笑い声は明るく、それに反するように咳き込むモーゼスは苦しげに息を整えた後、声を荒げて訴えにかかる。
「カルマン!」
「おっと!逃げるぞルルゥ!!」
「あ、ずるい!」
きゃぁきゃぁと甲高い笑い声が水音と共に波間を走り、輝く飛沫に眼を細めて二人は笑う。
それがあまりにも楽しげで。
「・・・もう、仕方ないな」
思わず怒りも失せて、モーゼスは小さく笑って逃げる背中を追いかけた。
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