「A*J×ICO -9-」
ごうん、ごうんと気だるげな音を立てて昇る昇降機。 少しずつ逸る心拍を押さえつけながら、アルヴィンはきつく睨み上げる。 光を完璧に遮った真っ暗な天井は、徐々に迫る分だけ息が詰まりそうだ。 そうこうしているうちに、小さな振動を残して昇降機が停止する。 扉などない。 だというのに、視界はやはり暗いままだった。 たどり着いた部屋があまりにも暗闇に染まっていたせいか、おどろおどろしい空気が肌を舐めるとぞわりと鳥肌が立つ。 僅かに揺れた身体に合わせて、大剣の飾りが小さく音を立てた。 鼓舞するように耳に届くのは、心に潜んだ恐れを拭い去れないせいか。 ぎゅっと一度目を閉じて深呼吸をした後、アルヴィンは意を決して足を踏み出した。 がらんどうの大きな部屋は、階下の大広間に匹敵する広さだった。 豪奢な細工の施された柱が並び、古びて亀裂の走る壁にも高尚なデザインの残骸が見てとれる。 そして、部屋の最奥には、誰かのために設けられた玉座。 この城が美しいままの姿であれば、その姿はどれほど輝かしく映ったことだろうか。 寂れて人の気配のしないこの場所にあっては、威厳よりも不気味な印象が強い。 だが、一番不気味に思えるとすれば、この部屋の中に玉座以外のものがないことだった。 謁見の間の役割なのだろうが、燭台もなければシャンデリアもない。 光をことごとく拒絶した広間にぽつりと設置された玉座は、それだけで排他的な印象を強めていた。 ぐるりと天井を見渡しても、部屋の隅々を眺めても、ここにはアルヴィンと玉座しかない。 人外の女がいるのでは、と身構えていたアルヴィンにしてみれば、出鼻を挫かれる展開だ。 あまりにも閑散としすぎていて、影たちがいた贄の大広間の方が、よほどジュードを救う手がかりがありそうな気さえする。 そう考え始めれば、ぼやっと突っ立っているわけにもいかず、アルヴィンはジュードの元へ戻ろうと踵を返した。 だが、部屋の半ばまで来たところで、それは訪れる。 「待ちなさい」 身を突き刺すような凍った声が響き渡る。 空間を斜めに切り裂いて、ゆっくりと姿を現す女の姿に、アルヴィンは待ち望んでいたような、しかし回避したかったような、相反する気持ちを抱いていた。 もう、後戻りはできない。 ふんわりと宙に浮かんだ女をギッと睨みつけて、アルヴィンは一番懸念すべきことを口にした。 「ジュードをどうするつもりだ」 「諦めなさい。もう手遅れよ……」 アルヴィンの気持ちを知ってか知らずか、女は淡々と抑揚のない声音でそう言った。 物を扱うような口ぶりに、思わず柄を握る手に力が篭る。 「誰の犠牲もなしに、この世界を支えるのはもう無理なの」 「世界を、支える……?」 「あなたたちは、自分たちが世界を生かしているとでも思っているの?」 唐突に飛躍してしまった話に、アルヴィンは顔をしかめて女を見つめた。 自分が問いかけたのはジュードの身の振りようだ。 それが何故、世界を支える話に繋がるのか。 女は、怪訝そうに眉根を寄せるアルヴィンを嘲笑うように、口元に手を当てながら優雅に玉座に座った。 まるで、自分こそが女王なのだと言わんばかりだ。 「この世界を生かしているのは精霊の存在よ。だけど、あなたたち人間のせいで、その均衡もずいぶん崩れてしまった。調整者であるマクスウェル様がその身を犠牲にしなければならないほどに」 一つ、一つと語るたび、抑揚のなかった女の口調に濃淡が現れる。 「精霊には、精霊を守り、使命を導く存在が必要なの。人間にとっても、それは同じこと。魂の調整者たる存在は必要不可欠。だから、マクスウェル様亡き後、ジュードが精霊の主として生まれ変わるのよ。それがあの子の使命。あの子はいわば、マクスウェル様の『魂の器』」 幼子におとぎ話を語り聞かせるような声で、女は人間が想像もし得ないことを当然のように語る。 その内容と声の落差に、アルヴィンの思考はますます混乱していった。 女は、マクスウェルこそが世界を支えているのだと語る。 贄を要求し、ジュードを閉じ込め、多くの命を酷い目に遭わせて来た奴が、この世界と人間、精霊たちを支えているのだと。 そして、そんな不可解な存在に、ジュードが生まれ変わるのだと。 アルヴィンは、目を見開いて女を凝視した。 女の告げる全ては、アルヴィンの固定概念から外れすぎている。 人々を嘆きに放り込む奴が、誰よりこの世の祝福を受けるべき純粋な存在を踏みにじる奴が、この世界に最も有益だと? 信じられるはずがない。 ぎゅっときつく唇を噛み締めて、反抗心を露らに睨み上げるも、女はアルヴィンの想像に添わない目で見つめ返してきた。 哀れむような、悲しむような。 そこにあるはずのない、あってはならない感情を向けられて、さらにアルヴィンは困惑する。 だが、 「次に目覚めたそのときには、もうあなたのことなど憶えてはいないでしょうね」 その一言に、惑わす全てが吹き飛んだ。 衝動的に胸倉を掴みそうになる心を必死で抑えて、アルヴィンは強く踏み出した右足に重心を移す。 「憶えてないって……どういうことだよ!」 「言ったでしょう?ジュードは魂の器。マクスウェル様の全ての知識と意思を受け継ぐ存在。あの子を空っぽに育てたのはそのため。まぁ、あなたが余計なことをしてくれたおかげで自我が強まってしまったけれど、差し支えないわ」 余計な、こと。 アルヴィンがジュードに与えた全てを、女はいらぬことだと吐き捨てる。 笑うことを知らなかったジュード。 外の世界を知らず、他人のぬくもりすらわからなかったジュード。 優しく穏やかなあの子の本当の心を、不必要なことだと言うのか。 異常だ。 この城の在り方は異常だ。 アルヴィンは、愕然と女を眺める。 たとえ女の言い分が正しく、世界にとってマクスウェルが必要であろうと、ジュードはここから連れ出さなくてはならない。 せっかく見つけた本当のジュードが、このままでは殺されてしまう。 それも、一番残酷な方法で。 「あら、いけない。少しお喋りがすぎたようね。でも、それもどうということはないわ。あなたがこの世の理を多少知ったところで、何の役にも立ちはしないのだから」 アルヴィンの動揺を知ってか知らずか、女は涼やかに笑い声を収めると、話は終わりと言わんばかりに目を伏せた。 「さぁ、その剣を置いてここから立ち去りなさい。あの子もそれを望んでいたわ」 深く思考に落ちたせいで、女の声が紗にかかったように聞こえる。 『あの子もそれを望んでいた』 確かに、アルヴィンの手を離してくれたジュードなら、アルヴィンが無事でいることを望んでいるだろう。 ちょっと怪我しただけで慌てて駆け寄ってきてくれて、傍にいてくれて、自分以上にアルヴィンのことを心配してくれていたのだから。 だからこそ、自分の成すべきこともわかる。 泣きそうな顔で、手放された指先の優しさを思えば、頭が冷えた。 確かめるように強く目を閉じ、唇を引き結ぶ。 そして、 「はぁっ!」 澄んだ瑠璃の軌跡が、女の頭上めがけて閃いた。 大きく振りかぶり、叩き割らんばかりに力いっぱい振り下ろすが、アルヴィンの攻撃を突然現れた球体が弾き返す。 ぶつかり合う衝撃に、支えきれなかった身体が後方へ軽く吹き飛んだ。 「く、うぁ!」 一転、二転、と床に叩きつけられ、ごろごろと砂埃を巻き込んで倒れ伏す。 予想外の反撃に、アルヴィンはゆっくりと身体を起こしながら、星のちらつく頭を振った。 いったい何が起きたのか。 状況分析を試みるが、自分の常識を覆す力で瑠璃色の大剣が弾かれただろうことぐらいしかわからない。 だが、まだ死んでない。 まだ、戦える。 隣に転がる大剣の柄を掴み、アルヴィンはそれを支えに立ち上がった。 そんなアルヴィンの様子に、機嫌を損ねた声が降る。 「聞き分けの悪い子ね。そうまでして死にたいのかしら?」 ゆうるりと立ち上がり、女は冷えた眼差しで右手を手前にかざした。 何をしてくるかはわからないが、その声の固さに、女の最後の譲歩も失せたことを知る。 しかし、アルヴィンは立ち向かうように大剣を構えて、口端を吊り上げた。 「俺は、ジュードを取り戻しにここまで来たんだ!それに、影たちと……あいつらと約束したからな。そう易々と退けるわけねーだろっ!」 手を横に薙いで、女の言い分を切り捨てる。 死にたいんじゃない、決着をつけ、大事なものを取り戻すためにここにいるのだ。 腹の奥底から吼えるように叫んだアルヴィンを、女は訝しげに見やった。 「影と約束……?洗浄しきれなかった残留思念が残っていたのかしら……?」 「何ごちゃごちゃ言ってやがる!」 ぶんっと風を切って斬撃を見舞う。 その軌道を読んで攻撃をするりとかわした後、女は苛立たしげにアルヴィンを睨みつけてきた。 「どうしても退かないのね……だったら、お望みどおり、殺してあげるわ!」 途端、大きく叫んだ女の様子に、アルヴィンは慌ててステップを踏んで後退した。 空間を捻る耳障りのよくない音がぐわんと響く。 すると、アルヴィンの立っていた場所に巨大な球体が現れ、がりがりと床を抉れ始めた。 急激に膨らむ黒く深い闇色の球体は、見るからに死を髣髴とさせる。 死へ誘う球体は、抉り取った石床を吸い上げ収縮すると、まるで最初から何事もなかったかのように消えうせた。 だが、一息つく間もなく、ぐわん、ぐわん、と湾曲する音が不協和音を奏でて乱れ飛ぶ。 「とうとう本性出しやがったな!」 右へ、左へ、立ち向かう先に現れる黒い球体を避けながら、アルヴィンは瑠璃色の大剣で狙いを定めて疾走する。 「あたかも自分が救ってやってるみたいな口利きやがって!お前やマクスウェルのおかげで、どれだけの人間が苦しんでると思ってんだ!」 今まで誰にも言えなかった不満や鬱憤を晴らすように、憤怒を込めて切りつける。 女に触れる直前で、やはり防壁のように球体が現れ攻撃を跳ね返し、その反動で手から剣が弾き飛ばされた。 アルヴィンは小さく舌打ちをし、容赦なく命を奪う球体の攻撃を素早くよけながら、剣を追って走り抜ける。 襲い掛かる攻撃を、こちらも拾い上げた剣で弾き返し、切り捨て、再び女へ向かって駆けた。 ちょこまかと逃げ回り、何度も何度も剣撃を浴びせてくるアルヴィンに、女もたまらず声を上げる。 「世の理も知らず、散々精霊を死に追いやってきた人間風情が……!」 「お前らだって、贄だ何だって人を見下して、散々死に追いやってんじゃねーか!」 「うるさいっ!同族すら保身のために簡単に差し出すあなたたちに言われたくないっ!」 怒り任せに放たれた一際大きな球体が、アルヴィンを押しつぶそうと降りかかる。 逃げる暇はない。 アルヴィンはとっさに前へ剣を掲げた。 瑠璃色の大剣が、キィンと澄んだ音を立てて、闇色の球体からアルヴィンを守る。 数えるのも億劫なほどの激戦の中、アルヴィンはいつの間にか、剣の性質を正しく理解していたらしい。 剣は歪みの球体と同質であるらしく、反発するように剣の周囲だけ球体の影響を受けないのだ。 最強の武器であり、最高の盾。 心強い味方に後押しされ、アルヴィンの攻撃からは感情任せに振るう無駄がなくなり、次第に洗練されたものに変化する。 それとは真逆に、女の攻撃は長引けば長引くほど乱雑に、そして巨大になっていった。 「世界を救うために必要な、最低限の犠牲なのよ!その最低限の犠牲に、マクスウェル様がどれほど心痛めていらっしゃると思うの!?」 「それこそ知るか!」 一歩も引かぬ互いの信念に、歪な音と金属音が混じり合う。 戦いの最中、叫べば叫ぶだけ体力を奪われ疲弊するのは目に見えていたが、それでもアルヴィンは息を荒げ、相手の声を喰らうように叫び続ける。 己を鼓舞するためであり、実際の戦闘に互いの理想の勝敗が重なっているせいだ。 相手もそれをわかっているからか、なりふり構わぬアルヴィンの特攻と主張を押しのけようと、声を張る。 もう最初の静かな物言いは、影も形も見当たらない。 徐々にヒステリックになる叫び声は、悲鳴にも似たざらついたものへ変化していた。 その変化に、アルヴィンはかすかな勝機を見出す。 攻撃では女の方が未知数だが、どうやら女の精神力はアルヴィンの持つそれと同等、いや、むしろアルヴィン以上に脆弱なのかもしれない。 見えた勝機に、アルヴィンは畳み掛けるように怒鳴った。 「人の命を当然のように要求した奴に、痛める心があるのかよ!」 自分のために、心病むほど嘆き続けた母。 自らその身を死に投げた影たち。 そして、人格を望まれなかったジュード。 自分が生きる狭い世界の中でさえ、溢れる悲しみは止めどない。 熱くなる胸中を煮えたぎらせ、アルヴィンは女に向かって疾走する。 矢のごとく向かってくるアルヴィンの怒声に気圧された女は、慌てて我に返ると、一拍出遅れて手をかざした。 行く先を阻む黒い球体がぶわっと膨れ上がる。 だが、アルヴィンの足は止まらない。 「俺は許さない!誰かが犠牲にならなきゃいけないようなくだらない仕組みなんて」 一拍の遅れたためにできた球体と床との隙間に身を滑らせ、アルヴィンはさらに距離を詰める。 驚きに見開く女の瞳に、瑠璃の軌跡が翻る。 「俺が、全部壊してやるっ!」 宣言を注ぐように、鋭い切っ先を容赦なく突き立てる。 ずぶりと女の肩を抉った瑠璃の刀身は、柔らかな皮膚を喰い破り、そのまま背後の玉座に突き刺さる。 「きゃぁぁぁぁっ!!」 劈く悲鳴に追い討ちをかけるべく、アルヴィンはさらに柄を押し込む。 「あぁぁっ!ひっ……あっ、ぐ……」 「ジュードを解放しろ」 ぜぇぜぇと荒い息を吐きながら、それでも力強く命じる。 一撃でも相手に与えれば決着がつくような戦いにおいて、アルヴィンが先に相手の傷を見たのだ。 勝者としてのアルヴィンの要求に、女は忌々しげな視線をよこした。 戦意は殺がれてはいない。 だが、戦いを続行する無意味さを、女もアルヴィンも既に理解していた。 この戦いは、アルヴィンを生かすか殺すかの線引きだ。 そして、女が致命傷を負ったことで、生かす方向へと結果が出た。 もうアルヴィンを葬りに来る存在は、この城には存在しない。 見えている事象に、アルヴィンが呼吸を整えながら悠然と女の返答を窺っていると、女は急に俯き肩を振るわせた。 「ふふっ……」 「……何がおかしい」 敗者にあるはずのない笑い声に、アルヴィンは気味の悪い印象を覚えた。 ぎゅっと剣の柄を握りなおし、脅すように足を踏み込むが、女は笑うのをやめない。 笑い声に揺れて傷が抉られているにもかかわらず、女はひたすら笑っていた。 そして、呆然とするアルヴィンに向かって、すぅっと滑らかに面を上げた女は言い放つ。 「無駄よ……どんなにあなたが頑張ろうと、全て無駄!」 「うるせぇ!お前が決めることじゃねぇ!」 狂気じみた笑い声を、自分の怒声で跳ね除ける。 しかし、歪んだ笑みを貼り付けた女は、そんなアルヴィンの態度が楽しくて仕方ないといわんばかりに声を上げた。 「全部、全部、ぜーんぶ、無意味なことなのよ!うふふ、おかしいっ!あなたが宣言どおりマナの循環の仕組みを壊しても、私を壊しても、この世の理を壊しても、全部無駄!あなたの行いは全て無意味なの!」 「貴様……っ!」 ひゅっと詰まる呼吸。 目の前が熱く、ちかちかと点滅する。 がくがくと怒りに震えるアルヴィンに向かって、女は敗者でありながら、勝ち誇ったように高らかに笑う。 「あなたが一番望む願いは叶わない」 静かな、余裕たっぷりの声が届いた途端、アルヴィンの中で押し留めていた何かがぞわりと蠢いた。 カッと燃え上がる感情のままに、握った柄を勢いよく引き抜く。 笑う女の瞳に、怒りに狂った自分の姿。 捻るように抜いた切っ先が、まっすぐ天を仰ぐ。 「あの子は、ここから出られない!」 「黙れぇぇぇ――――っ!!」 女の顔面めがけて真上から大剣を振り下ろす。 その刀身は、無防備な女の柔肌を引き裂くはずだった。 だが、 「ミュゼ!」 「なっ……!?」 大広間を震撼させるほどの声が轟いたと同時に、アルヴィンの持つ大剣が圧倒的な力で弾き返された。 その威力は女と対峙したときの比ではなく、子供とはいえアルヴィンの身体をあっさり大広間の半ばまで連れ去っていく。 強力な速度の負荷を削がぬまま、アルヴィンはドーム型の天井と壁の境目まで吹き飛ばされ、強かに身体を打ちつけた。 肺を圧迫され、息が詰まる。 弛緩した手から柄が滑り落ち、アルヴィンもまた、あとを追うように地に伏した。 重力に添って床に投げ出されるまで、まばたき一つできなかった。 吐き気すら催すほどの激痛が思い出したように襲ってくれば、状況把握に割く気力など残されていない。 「ぐ、うっ……!」 しかし、それでもアルヴィンは我先にと意識を奪いに来る痛みに耐えながら、無理やり玉座へ顔を向ける。 何が起こった。 何があった。 あと少しだったのに、何が状況を覆した。 麻痺しかかった頭で目まぐるしく思考するが、霞む視界にまともな情報が見当たらない。 自分は確かに人外の女との勝負に勝ったはずで。 あと少しで望んだものが返ってくるはずで。 だから。 だから…… ――――…ジュード…… 苛烈な戦意も手招く闇に抗いきれず、アルヴィンの意識は真っ直ぐに沈む。 ぼやけた視界が失せる一瞬に、燃えるような紅玉が瞬いた。
* * * * 2012/09/03 (Mon) 最終決戦。 精霊の言い分と人間の言い分。 互いの私情によって激化w そして、最後の最後でニューフェイス登場。 ICOがそうだからって、核たる登場人物が3人だと言った覚えはないんだぜ! *新月鏡* |