エセリアル
僕の好む場所 見上げれば、世界が反転したように広がる一面の青 圧倒的な空間が全てを包み込んで、僕の心を羽ばたかせる 横たわれば、感覚などないに等しい そんな虚ろな感覚に抱かれて、視線を振れば、挑発的な異色の瞳にぶち当たった その整った顔を見るだけで、吹っ飛んでいた感覚は舞い戻り、屈辱的な怒りが沸々と湧き起こる かしゃん・・・ はっとすれば、ぎゅっと握り締めた拳から力が抜けた 控えめに鳴る金網の音がなければ、無意識に殴りかかってただろう その衝動を知ってたかのように、くすくす笑う声が耳障りだった 「・・・」 「・・・」 無言の牽制 睨み返せば、その先に明るい青を見た 全ての色を飲み込む黒と、嫌になるくらい生々しい紅が、彼にはよく似合うと思ってた なのに・・・ なのに・・・ 「どうか、しましたか?」 「別に」 くくっと笑う彼の微笑み どうしてそれを空の色が引き立てるのか 僕の焦がれる空に似合う彼が、より憎い 「だったら、そこから出てくればいいじゃないですか」 見透かしたような返答が返って来た 繋ぎとめる目線は逸れることなく かしゃん、とまた金網が悲鳴を上げた 攻め立てるような音に聴こえて、僕は思わず後ずさる 「鳥籠の中から見る世界・・・その狭い世界だけが君のリアルですか?」 差し出される手のひら 掴み返して殴り倒したい でも 手を伸ばそうとしても、届きはしない手 ――――・・・届くわけない、だって・・・
僕は金網の内側 君は金網の向こう側
焦がれる空は、彼と同じく金網の向こう ならば、彼が言う『狭い世界』はあながち間違ってはいないだろう 何故なら、その向こう側には、視界を遮るものなどありはしないのだから 「・・・何でも手に入れる、君が気に喰わない」 「クフフ・・・ならば、鳥籠の世界から出て、僕を討ち堕としなさい」
――――・・・待っていますよ・・・
そう言葉を残して、憎らしい微笑みを浮かべると、彼はゆったりと両手を広げて反り返る 後ろざまに堕ちていくのは、見慣れたシルエット 空気に溶けるように、微笑んだまま掻き消えていく幻 見下ろしても、影も形もなくて
屋上に僕を残したまま 嘘っぽい現実が目を醒ます
「僕を待ってるだって?・・・君こそ、似非現実の住人のくせに・・・」
我知らず小さく笑って、再び空を見上げた
――――さぁ、偽物の現実にさよならだ
* * * * 2007/08/17 (Fri) from diary わ〜い、意味不明ですみません!! えと、描写的には『屋上』=『鳥籠』ってイメージです。 で、内側が、金網で覆われた狭い世界って話です。 骸さんは、さっさと強くなって戦えって言ってるような感じ。 そのために、並盛に執着してないで、外を見ろ、と。 まぁ、そこまでは言ってませんが(苦笑) まぁ、そんな感じで、生ぬるい現実=エセリアル(似非現実)を目指して書い、て、た・・・んですが・・・orz 見事撃沈した感じが否めません。 えと、こう改善したほうがいいよ!ってのありましたら随時募集中です(笑) 新月鏡
|